〔大人組 Kansai〕に花兆庵が掲載されました。
「綺麗の元が溢れる和風リゾートで心と身体に栄養を深みを帯びた柱や太い梁、畳の匂い。障子を開ければ、庭の緑が目に優しい。日本人の心を落ち着かせるのは、やはり和の空間だ。ここは、飛騨高山にある旅館『本陣平野屋 花兆庵』が運営する『りらっくす蔵』。明治時代に建てられた古民家を利用した、女性だけのリラクゼーションルームだ。蔵を改装した温泉で温まった後はサロンへ移動し、アロマオイルや植物性化粧品などを使ったトリートメントやリフレクソロジー、ストーンセラピーなどの中から好みのメニューをチョイス。あとはベッドに横たわってエステティシャンに身を委ねれば、植物の香りとハンドテクニックだけのマッサージが、心と体に栄養を与えてくれるはず。温泉、和風リゾ-ト空間、エステ・・・、と「綺麗」の素が溢れる飛騨高山。
それが、この地に旅立つ理由。
エステや温泉を満喫した後も楽しみは尽きない。食事時には、清流に育まれた川魚や地元農家から運ばれる高原野菜、飛騨牛、日本海の幸などを使った会席料理が膳を賑わせる。手作りの豆腐や朴葉焼きといった郷土料理も味わい深く、一口食べるごとに美しい自然のエネルギーが全身に染み渡っていくかのよう。改装したばかりのジュニアスイートも、楽しい旅の立役者。広々とした和室、飛騨の匠の技を生かしたインテリアや家具などは、この地の伸びやかな空気と人肌のぬくもりが伝わってくる。ジャグジーや展望風呂に浸かれば、ここを選んで正解!とつくづく。もう、宿から出る理由などなくなってしまうが、それはこの宿が「高山の観光を知り尽くしたリピーターの方にも喜んでいただきたい」と。もてなしとしつらえに心を砕いた所以だろう。
江戸時代と現代が入り混じる、小京都を巡る
江戸時代、天領(幕府直轄領)として栄えた高山市。本陣平野屋花兆庵は、そんな城下町の中心に位置する。少し遅めの朝ごはんを食べた後、周辺を散策してはいかがだろうか。
この界隈に店を構える造り酒屋や醤油屋などで地元の味を手に入れたら、「小糸焼窯元」で思い出の品を選びたい。青銅のような風合いの青いらぼ釉は、当代が確立した独自の手法。深い海のように澄んだ青は、飛騨の人々の海への憧れを表しているようだ。
市内には、博物館などの観光施設も点在している。「飛騨の家具館」は家具のショールームだが、椅子作りから始まった飛騨の洋家具の歴史も見せてくれる工芸館のような存在。販売しているデザイナーズ家具や地元の杉材を使った家具なども表情豊かで、一目惚れして購入する観光客がいるというのも納得できる。
散策途中は、町屋を利用した「布久庵」に立ち寄り、冷たい甘味で涼を取ったり、「杵屋五平」の五平餅で小腹を満たしたい。すったエゴマで作ったタレを塗り、炭火で焼き上げた餅の芳ばしさ、柔らかさは感動的!その美味しさは、飛騨が五平餅の本場だと教えてくれると同時に、歩き疲れた体をたちまち元気にしてくれるはずだ。
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■掲載媒体名:大人組 Kansai 7月号
■発行年月日:2007年5月30日
■タイトル :一泊二日の温泉宿 週末の癒し旅行vol.21
■発行社 :プラネットジアース
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